KeePer技研【6036】

MBOを目指してたソフト99であるが、エフィッシモによる対抗TOBが成立し、エフィッシモがソフト99株式の31%超を取得。ソフト99のMBOは事実上、頓挫した。

今回のエフィッシモによる対応TOBでカギを握っていたのがソフト99株式の約12%を保有するKeePer技研である。当初はソフト99によるMBOに賛同していたが、翻してエフィッシモによるTOBに応募した。

大人の事情よりも株主の利益を追求したKeePer技研。当社について興味が湧き調べてみました。

ガバガバガバナンス

  • ソフト99の株主であったシンプレクス・アセット・マネジメントからソフト99株式をKeePer技研が譲受した。谷会長の独断で
  • ソフト99から、どこかから横やりが入って4100円でTOBがかかりそうだから、2465円でMBOするので応募してくれと懇願されて契約締結。谷会長の独断で。株主の利益はどこいった?
  • ソフト99との契約書には、対抗TOBなどが後から出てきた場合に株主の利益のために応募義務に拘束されないFO条項(フィデューシャリー・アウト条項)がすっぽり抜けていたことが後から判明。リーガルチェックはどこいった?
  • 社外取締役から株主代表訴訟で訴えられるかもしれないから対抗TOBに応募した方が良いと言われて対抗TOBへの応募を決めた谷会長。「社外取締役はもう少し私の言うことを聞いてくれる人たちだと思っていたので、強い反対を受けたのは意外だった」と谷会長。ガバナンスはどこにいった?
  • まさに中小企業もとい個人商店マインドの状態で上場してしまった会社であることが分かる。今年9月に働く株主であるみさき投資が大株主として登場したが、ガバナンス面を支援するのだろう
  • 今回のソフト99株式の売却予定価額:11,019百万円(売却益 : 6,762百万円)、特別利益を原資とした追加の株主還元の有無については、第2四半期の決算発表時を目途に発表。全額を還元するならば、1株当たりの配当は現在60円なので、追加でプラス239円、キリよく合計300円もあるかもしれない。

業績は絶好調

  • 当社は自動車のコーティング剤の卸売(製品販売事業)及びコーティング施工の直営・FC店舗(キーパーラボ事業)を営んでいる。
  • 売上高はこの5年で3倍と大きく飛躍きっかけはインフルエンサーがSNSやYouTubeで当社のコーティング剤を取り上げたことである。
  • 営業利益率は3割と非常に高く、自己資本比率は7割でROE23%と驚異の資本利回り。
  • 製品販売事業では営業利益率4割、キーパーラボ事業では営業利益率2割である。売上規模は半々である。
  • 製品販売事業の販売先はこれまでガソリンスタンドと小売店がメインであったが、近年では新車ディーラー向けが伸びており今後も割合を増やす意向である(現在は35%程度)。新車ディーラーは、店舗数が減少傾向であるガソリンスタンドに対する新たなマーケットの開拓となる。新車登録台数はほぼ横ばいであるが、新車ディーラーの開拓余地はまだまだ大いにあり。新車ディーラーのキーパー付帯率は、スバルとボルボは約2割であるが、トヨタ、ホンダ、三菱は一桁%であり、未開拓の他のディーラーもあり。
  • キーパーコーティングを扱うガソリンスタンドのことをキーパープロショップという。ほぼ直営のキーパーラボはコーティング専門店であるが、キーパープロショップはメインがガソリン販売であるため店によって施工能力はまちまち。
  • ガソリンスタンドの店舗数は減少傾向であるが(2010年:40,357店⇒2025年:27,009店)、ガソリンスタンドが加盟するキーパープロショップは増加傾向である(2010年:1,760店<加盟率4.3%>⇒2025年:6,661店<加盟率24.6%>)。ガソリンスタンドの店舗数が減少傾向であることを踏まえると、キーパープロショップの店舗数は頭打ちとなっており、当該事業の売上(製品関連事業のアフターマーケットセグメント)は前年比でマイナスとなった(なので、キーパーラボとのカニバリは大きな問題とならないかもしれない)。コーティングの需要は旺盛であるため経営が厳しくなったガソリンスタンドからキーパーラボに鞍替えするところもあり(そのような店舗がキーパーラボのFC加盟店となっていく)
  • キーパーラボ事業は、値上げしても需要は変わらずに顧客単価は上昇傾向である(コーティングの頻度は年1回なのでそこまで価格に敏感にはならないのだろうか)。ディーラーに比べて半額かつディーラーに比べてコーティングの専門家であることも競争優位だろう。
  • 加えて、キーパーラボの新規出店により客数も増加傾向である。業績拡大のためには人材の採用と教育(技術力が大事)が全てであり、人手不足の昨今で拡大可能か?教育が追いつくか?給与単価は増加傾向であり人件費は拡大傾向である。
  • キーパーラボの店舗数は、2025年9月30日時点で全159店舗、県当たり3店舗、まだまだ出店余地は大いにあり
  • カーコーティングといえばキーパーというブランド力がある。キーパー独自のコーティング液と大勢のコーティング技術者を有する事が強み。脅威となる競合は今のところ存在しない。

次はコーティング業界の闇を突くBUDDCA

  • ビッグモーターという中古自動車業界の闇を突き、飛ぶ鳥を落とす勢いの中古自動車販売業であるBUDDCA。そのBUDDCA中野社長が、新車ならまだしも中古車にキーパーをしても効果があまり無い、中古車のコーティングでは溶剤を塗る前の磨きで8割が決まる、キーパーはコーティング前に磨きをしていないと発言。
  • 加えて、キーパーの営業利益率は3割もある、BUDDCAでは利益を抑えた低価格で磨きもやるコーティングの提供を開始すると発言。現在すでにコーティング事業がスタートしている。超過利潤のあるところに競合が群がってくる典型パターンである。
  • 口コミで大きく飛躍した当社だけに、逆に口コミで衰退する可能性もあり。過去には類似商品が出てきて風評被害で売上が減少したこともある。コーティングの値段は安くはないので顧客は事前にネットで評判を調べるだろう。そして当社の集客ルートはHPがメインである。
  • ネット検索ではキーパーの悪い書き込みをみかけるが、グーグルマップの口コミでは良い書き込みばかりだ。不思議な事にどの店舗でも。書き込んだら何か貰えるキャンペーンでもやってるのだろうか?
  • 磨きの技術は習得するのが難しいらしい。磨きを省いているからこそ当社の事業はスケールし利益率も高いものになった。今から全ての店舗で磨きを提供するのはもはや不可能だろう

将来予測

  • 日本の自動車保有台数は8,000万台であり、1割がコーティングをすると仮定すると潜在需要は800万台である。
  • キーパーラボでのキーパーコーティング施工台数は年間230,126台
  • 新車ディーラーにおけるキーパーコーティング施工台数は年間127,806台
  • キーパープロショップにおけるキーパーコーティング施工台数は年間720,000台(会社想定)
  • 以上、潜在需要800万台に占めるシェアは13.5%(108万台)、まだまだ開拓余地があるように思える。
  • しかし、私の周りでキーパーを使ったことがある人は一人もいなかった。そもそもコーティングをしない、コーティングをしていてもキーパーは高い(2万~8万)ので自分で溶剤を買って実施(千円未満)する人が多かった。ある意味、潜在需要は大きいとも考えられる
  • 車齢が伸びていることもあり、車をキレイに保ちたいというニーズは今後も増えるだろう

2026.1.9 追記

  • 中野社長の動画を観て、新車ならばまだしも中古車をキーパーに持っていくか?キーパーは磨きをやっていないので私は持って行かないかな?と思っていたが、磨きをやっている町の施工店を何店舗か見たが店構えが恐くてなんか入りずらい。非常に敷居が高い。
  • 磨きをした方が傷や水垢なども綺麗になるが、そこまで気にするのは相当な車好きな人だけだろう。大半のユーザーはそこまで気にしない。ならば、費用が安く、短時間で施工しくれる、敷居が低くて入店しやすいキーパーラボを選ぶだろう。
  • キーパーをするだけで、1年間効果が持続して洗車の頻度が大きく減るならばコスパはいいかもしれない。見た目もつやつやだ。

投資は自己責任です。