ぴあ【4337】

私はオリックス・バファローズの熱烈なファンであり、かれこれ15年以上は京セラドームに応援に行っている。昔の球場はガラガラで空席が目立っていたが、パリーグ優勝をするにつれてファンが増えてきた。ここ2年は成績が悪いにもかかわらず球場に来るファンが増えている。一緒に行った家族も勝った負けたに関係なく生で野球を見てとても楽しそうである。

昨年は新しくできたジーライオンアリーナでBリーグの神戸ストークスを応援に行った。エンタメ要素がふんだんにあり想定以上の面白さである。一緒に行った家族もバスケのルールは知らないが楽しそうであった。また行きたいと思う。

ここ数年は映画館に行く機会は減って、もっぱら自宅でオンライン映画を観ていたが、昨今のアニメ映画ブームがあり久しぶりに家族で映画館に行った。やはり映画館で観る映画は自宅で観る映画と全然迫力が違う。頻繁に行きたいと思う。

今年の目標は音楽ライブと大相撲を観に行くことである。

コロナ禍の自宅待機の反動でリアルイベントの需要が一気に爆発したが、近年はコロナの影響は落ち着いているにもかかわらずリアルイベントの需要は増えているように感じる。

リアルイベントの需要拡大の恩恵を受けるであろうチケットビジネスを手掛けるぴあ株式会社を調べてみました。

チケットビジネス市場

  • 国内レジャー集客エンタテインメント市場は、ライブ・イベント開催の活発な動きが加速し、大規模会場・大型興行の増加、動員数やチケット単価の上昇等により、コロナ禍前を大幅に上回る規模で好況に推移している。
  • 音楽、プロ野球、Jリーグ、大相撲、ラグビーなど主要なイベントの観客は増加傾向である。
  • モノからコト消費へ、便利さから感動へ、デジタルからリアルへ、様々な価値が見直されている。チケットビジネスは景気の影響を受けそうであるが、昨今は景気が良くないにもかかわらずチケットビジネスは拡大してきたという事実がある。今後もこの流れは変わりそうにないだろう。
  • ちなみに、ソニーも事業内容を音楽と映画事業にシフトしている。

ぴあのビジネスモデル

当社のビジネスは、映画やコンサートの情報誌「ぴあ」を手始めに、オンラインチケットを扱う「チケットぴあ」を開始、昨今では自社で音楽専用アリーナを運営してチケットだけでなく「場」も提供している。時代の変化に伴い情報誌「ぴあ」は休刊した。

ぴあのチケット事業

  • 「チケットぴあ」事業は、規模を問わない約45,000社にのぼる興行主催者等と取引を行うとともに、大手興行主催者や、Jリーグ、プロ野球、ラグビーやバスケットボールなどのスポーツ団体、全国のホール・劇場等のチケッティング業務をトータルにサポートしている。
  • チケットビジネスの収益は緩やかに増加傾向であり安定はしているが、薄利多売であり、継続的なシステム投資も必要である。2024年10月1日より、チケットサービス手数料を一部改定し、約50%の値上げを実行した(競合も同様に値上げ)
  • チケットビジネスのプレイヤーは、ぴあ(セブンイレブン系、セブン&アイと資本提携)、ローチケ(ローソン系)、イープラス(ファミリーマート系)の3社による寡占状態である。チケットビジネスは奥が深く新規参入は容易ではない。3社の違いは扱う興業の種類が微妙に違うところである。
  • 当社は上記業務に加えて、これまでのチケット販売によって蓄積されたノウハウを活用した票券管理業務も行っている。対象は大阪万博、東京世界陸上、オリンピック、ラグビーワールドカップなどデカいイベントである。これら大きな興行では、トラブル対応や顧客対応など過去の経験値の蓄積が求められるため、チケットビジネスのパイオニア兼フロントランナーであり信用と実績があるぴあに強みがあり、ぴあが当該興行を全て担当してきた。今期は大阪万博が業績に大きく寄与した。
  • コンテンツを有する会社(東映など)は、コンテンツの当たり外れの業績へのインパクトが大きくその予測は困難であるが、ぴあのチケット事業はコンテンツ事業の黒子であるため安定している。

第二の創業を目指すぴあ

  • 当社は新規事業としてホール劇場ビジネスをスタートさせた。メディアビジネスやチケット流通事業、イベントの企画や主催等を通じて培ってきたノウハウを活かし、1万人を収容する音楽専用ホール「ぴあアリーナMM」(横浜・みなとみらい地区)を、当社の創業記念日である2020年7月10日に開業した。
  • これにより、コンテンツ、ソリューション、チケット流通、プロモーションに加え、会場運営という新たな事業をスタートさせたことで、エンタメの送り手と受け手を一気通貫に結ぶ“感動のライフライン”の実現に大きく前進した
  • 加えて、2026年度開業予定の東京駅直結「TOFROM YAESU」内にオープンする劇場カンファレンスホールを運営することになり、ホール運営事業を本格化させている。
  • ぴあアリーナMMは、コンサートに最適化した会場で人気が高く週末は1年半先まで予約が埋まる状況であり稼働率は高止まりしている。アリーナ運営はハイリスクハイリターンのビジネスであり稼働率が高ければ2割から3割の投資リターンが臨める。ぴあはチケットビジネスという安定した事業に留まることなく、リスクを取ってアリーナを建設した。
  • 同規模のアリーナは他にも全国に数多く存在するが、多くの体育館や武道館が築40〜50年を超えて老朽化しており、今まさに「建て替え・大規模改修」のラッシュと「次世代アリーナ」の建設ラッシュが同時に起きている状況である。次世代アリーナの特徴としては、 飲食が楽しめるラウンジやVIP席の設置、コンサートに耐えうる音響設備、センタービジョン(大型モニター)など、収益性の高い施設へと進化している。ぴあアリーナMMは、行政ではなく民間企業が、音楽コンサートに特化した使いやすいハコを自前で作ったという点で、業界のモデルケースとなっている。
  • 次のアリーナを建設するには、広い一等地の土地確保と建築費高騰により困難を極める。次々にアリーナ事業を拡大というわけにはいかないだろう。しかし、資本提携先の三菱地所と組んで今後もアリーナや劇場の新設を進めていくことだろう。
  • チケット事業の集客力をアリーナ事業に活用できるだけでなく、アリーナを保有していることでチケット事業の競合との差別化となりチケット事業へのシナジーも発揮することができる。昨今の会場確保の困難さを背景に、自社アリーナの優先枠を提案するなど興行主(プロモーター)やアーティスト側に対する立場が非常に強くなる。チケット事業を手掛けているぴあだからこそ、アリーナ事業を展開する意味がある。

ぴあの業績

  • コロナ禍の2021年3月期に売上の8割が剥落するという地獄を潜り抜けて、今期は過去最高益を見込む。
  • 直近3年の売上成長率は約2割と順調に拡大している。販管費率が抑えられているため、営業利益は上昇傾向である。ちなみに3年前の2022年3月期から収益計上の基準が変わっているので注意である。
  • 自己資本比率は8.1%と非常に低い。コロナ禍の業績悪化で純資産が吹き飛んだのが原因である。しかし、その後は順調に純資産が積み上がっており、自己資本比率は高まっていくだろう。配当も再開したが、自己資本比率の上昇によりさらに配当も増額していくだろう。
  • 手持ちのキャッシュは総資産の45%と豊富にあるが、これはチケット購入者からのチケット代金であり、興業が終了すると興業主に資金を渡すため、余剰資金というわけではない。

ぴあの将来予測

  • メイン事業であるチケット事業は緩やかな拡大傾向だろう。
  • 今後はアリーナ事業が業績に寄与していくが、次のアリーナ新設は予測できず、新設するにしても拡大ペースは緩やかだろう。
  • 国内で大型イベントがある際は、当社の業績に寄与する可能性がある。

ぴあは日本の「文化」を支援してきた会社である。当社が主催するぴあフィルムフェスティバルでは世界的な映画監督が何人も生まれている。昨年話題となった「国宝」の監督もその一人だ。

個人株主はぴあのファンが多い。株主優待も魅力的である。

参考書籍【岩は、動く。

投資は自己責任です。