ビルゲイツ氏は、ビジネスマンとして優秀なだけでなく、投資家としても素晴らしいです。
ウォーレン・バフェット氏と友人ということもあり長期の集中投資。投資先は7銘柄ほどでその内の2社が産業廃棄物処理会社であるウェイスト・マネジメントとリパブリックサービスです。
環境問題への意識が高いビル・ゲイツ氏。ゴミ問題を調べるうちに両社の強さを理解したのでしょう。
2023/11/7時点 ウェイスト・マネジメントとリパブリック・サービス 株価チャート(Google Financeより)
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ビルゲイツ氏が投資を始めたのは遅くとも2002年頃ですので非常に素晴らしいリターンです。配当を加味したらさらに素晴らしいリターンかと。
両社はM&Aを通じてアメリカの産廃業界を再編し、株式価値を高めてきました。
翻って日本の産廃業界の最大手は大栄環境グループです。
2023/11/7時点 大栄環境グループ 株価チャート(Google Financeより)
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2022年の年末に上場したばかりでこれからの動向が気になるところです。
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ゴミ処理の流れがまさに当社のビジネスフローであり、集めて(収集運搬)⇒仕分け・リサイクルして(中間処理)⇒リサイクルできないものを埋め立てる(最終処分)という流れです。
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このスライドはとても参考になります。
真ん中の表に記載がある大手が占める業界シェアは、日本では僅か数%であり(最大手の大栄環境ですら1%未満)、米国は上位3社でシェア35.7%と既に集約が進んでいます。
日本の産廃業界のM&Aは米国に比べて20年遅れており、これからが業界再編の本番まさに戦国時代に突入する状況です。日本の産廃業界の未来が米国をなぞるならば、M&A巧者が事業を拡大していくことでしょう。
次に、下の円グラフにある最終処分の割合ですが、日本は既に少ないですが、米国は広大な土地を有しているため最終処分される割合がとても高く、ウェイスト・マネジメントやリパブリックサービスのように最終処分場を保有している企業に強みがあります。
しかし、M&Aの状況とは反対に米国のリサイクルは日本に比べて20年遅れており、これからリサイクルが進むのではとも考えられます。
米国のごみ処理分野で初のユニコーンとなったルビコンは、カエサルというサービス(社名もサービス名も最高です)を提供してリサイクルを進めており、こういった企業が業界のブレークスルーとなれば米国の産廃業界は安定しているようで実は先が読みにくいなと思います。
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当社は、収集運搬でも中間処理でも頭一つ飛び抜ているのですが、特筆すべきは右端の最終処分の部分です。
国土の狭い日本で、行政の許認可取得のハードルが高く、設備投資も巨額であり、地域住民への合意を得る必要があるなど、最終処分場を作るハードルは非常に高い。最終処分場を持っていること自体が強みとなります。
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資金がいくらあっても足りないぐらいの設備投資計画です。
当社のROIC(投資に対してどれぐらいのリターンがあるか)は非常に高く、もはやROICを改善させることは不要であり、ROICが多少下がってもいいからガンガン設備投資をして、その先にある経済的付加価値を創出することが株式価値を高める手段となります。
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赤い四角で囲まれた会社がM&Aでグループに加わっており、業界の中でもM&A実績はナンバーワンです。
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一言で産廃会社といっても、扱っているゴミが違えば企業の経済的特徴も全く変わってきます。
鉄、非鉄、廃液を扱っていれば商品市況の影響を受けますし、汚泥ならば公共工事、建築廃材ならば建設市況など、自社でコントロールできないことが多いです。
そんな中で当社の扱うゴミのラインナップは豊富であり、景気や商品市況の影響を相殺して安定的に成長しいく基盤が整っていることが分かります(表の右端)
一般的な経営戦略とは、差別化とポジショニングの2つに集約され、当社はその両方において素晴らしいと思います。
参考書籍【ゴミに未来を託した男】
千葉県の市川環境エンジニアリングを通じて、日本の産廃業界の歴史を学ぶことができます。
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